連研のための研究会
奈良教区が主催する連研のための研究会に出講しました。連研とは2年かけて行う連続研修会を略した言葉です。お寺でのご法座は僧侶が話してほかの方は聞くという形が一般的ですが、連研では講師がテーマを設定して、そのテーマにそって参加者が班に分かれて話し合うという「話し合い法座」が行われるのが特徴です。ただ話し合い法座が行われるは機会が少なく、なじみがないので僧侶もまた門徒からも敬遠されているのが現状なのかもしれません。
あるご門徒が「話し合うといっても浄土真宗にはタブーが多すぎる。先祖供養はしない。大安吉日など日の良し悪しや占いは信用してはいけない。そういろいろと言われては本音で話すことが難しいのではないか」という意見をいただき、そこから研修会のテーマが設定されました。その内容はズバリ「タブーを取っ払ってみよう」というものです。今回は研修講師の奈良教区三山組順明寺の多田大順さんとペアとなって研修会を行いました。
法座①として「話し合い法座の起こりや意義」について多田さんからお話をしていただき、法座②では「話し合い法座で本音がでないのはなぜか」を私が講義形式にてお伝えをしました。
今回はファシリテーターの蕚慶典師の勉強会で学ばせていただいたことをベースにしてワークショップを取り入れました。「先祖供養をしてほしい」「実は占いを信じている」など、タブーと指摘された事柄に対して賛否に分かれていただき、活発に意見交換をしていただきました。
浄土真宗では「先祖の追善供養はしません」とか「占いには頼りません」など、教えに沿った内容でお伝えはするのですが、その先に得られるものが少なく、聞き手にはどうしても否定されたというイメージばかりが残ってしまうように思います。「なぜ不要なのか」ということを本音で話し合う中に、他者によって一方的に否定されるのではなく、話し合い、聞き合う中に「私にとって必要ではなかった」と自主的に離れていける有様こそ大切だと気づかされました。また教えにそぐわない思いをただ否定するのではなく、そこからみ教えにであっていくきっかけとなっていることも研究会で確認することができました。参加してくださったみなさまの活発な意見交換でとても有意義な時間を過ごすことができました。
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